パン屋になるには資格は必要? 活かせる資格とは?

美味しいパンを作るには技術が必要です。
ではパン屋になるには資格が必要なのでしょうか?

実はこれを持っていなければパン屋になれない、という資格はありませんが、持っていると便利な資格はあります。
ここではパン屋になるために役に立つ資格や活かせる資格などをまとめてみました。

パン屋になるには資格は必要か?

美容師や看護師、保育士などになるためには、必ず取得しなければいけない免許や資格があります。
しかしパン屋になるには必須となる資格はありません。
簡単に言うとパンを焼ければパン屋を名乗れるのです。

パン屋になりたかったらパン屋に就職するか、製パンの専門学校に入って技術を取得すれば誰でもパン屋になれます。
ただし、パン屋を開業するとなると「食品衛生責任者」や「飲食店営業許可」「菓子製造許可」などを取得する必要があります。

パン屋で活かせる資格とは

パン屋になるために必須の資格はありませんが、これからパン屋を志す人ならば取得しておいた方がいい資格があります。
資格があれば就職や開業する際に有利な点もあるので、取得しておいて損はないでしょう。

○パン製造技能士

パン製造技能士は、パン製造に関する学科および実技試験を経て取得する国家資格です。
パンに関する知識・技能が問われる資格で、合格すると「パン製造技能士」を名乗ることができます。
等級は「特級」「1級」「2級」とあり、詳細は以下の通りです。

・特級

管理者・または監督者が取得すべきレベルの技能を問われます。
試験内容はやや難しいとされ、工程管理・作業管理・原価管理などの学科テストを行います。
受験するには1級合格後に5年以上の実務経験が必要です。

・1級

上級技能者が取得するレベルで、受験資格は7年以上の実務経験者、または2級合格者で2年以上の実務経験がある人などです。
学科試験50題の他、実技試験では、指定された材料で配合や使用料を算出し、山型のイギリス食パンを4本作ります。

・2級

中級技能者が取得するレベルで、受験資格は2年以上の実務経験者、または専門高校、短大、高専、高校専攻科卒業者指定学科修了者などです。
実務経験の年数は学歴などにより細分化されているので確認が必要となります。
学科試験50題の他、実技試験では、指定された材料で配合や使用料を算出し、山型のイギリス食パンを3本作ります。

○パンコーディネーター

パンコーディネーターは「パンを食べる視点から」をコンセプトにした資格で、製パン技術以外でのパンに関するプロフェッショナルになることができます。
日本では初めて設けられる資格で、パンに関する助言や提案ができる製パン会社の商品企画開発担当、レストランメニューの開発者などアドバイザー的立場になりたい人におすすめです。
「公益財団法人日本生涯学習協議会」から監修認定も受けています。

○パンシェルジュ検定

パンシェルジュ検定は2009年からスタートしたパンに関する新しい資格で、「奥深いパンの世界を幅広い知識を持って案内できる人」を目指す資格です。
食べることだけでなく、パンの歴史や器具、材料などをはじめ、パンを食べる際のマナーや保存方法など、パンに関するマルチな知識を得ることが可能です。
職業に活かすことはもちろんですが、自分のスキルアップのために取得する人も多いようです。

○食品衛生責任者

製パン業に直接かかわりのない資格ですが、パン屋を開業するならば「食品衛生責任者」の資格は必須となります。
食品衛生管理者とは食品の製造、販売を行う営業所や店舗を営業する際に必要な資格で、主に店舗の管理に関しての知識を問われます。
各自治体の保健所にて講義があり、数年に一回再講習を受けることが義務付けられています。

これを持っていればパン屋の開業以外でも、飲食関係への就職でプラスとなるので取得しておいて損はありません。
パン屋になるには資格は不要ですが、資格を取得することにより製パン技術だけでなく、パン屋の未来を担う知識も得ることができるので、時間があればなるべく取得しておくことをおすすめします。